良く「留学したいけど親の理解が得られない」という声を聞きます。
自力で資金を用意し思い通りに留学できるならいいですが、多くの若い留学希望者はどうしても親の援助が必要となりますよね。だけど、親からの理解を得られない場合、どうしたらいいのか?
今回は「どのようにして親を説得するべきか」をぼく自身の体験を交えて、紹介します。
親が反対する理由を理解する
手放しで留学を許可してくれる親というのはあまりいないと思います。
それに対して、「どうして許してくれないんだ!」と文句を言っても、それはただのワガママです。
なぜ許してもらえないのか。それをまずしっかり理解する必要があるのではないでしょうか。
反対することに対してただ文句を言うのではなく、「どうして反対するのか」をまずはしっかり親から聞くべきです。
以下の三つは、親が留学に反対する理由として挙げられるものです。
お金
現実問題として、留学というのは非常にお金がかかります。
決して安くはない学費に、日々の生活費。
安く見積もっても、ウン十万。
そのお金を稼いでいる親の立場を理解し、そのお金を親に支払ってもらわなくてはいけない自分の立場も理解しなくてはいけません。
理想
きっと親は子供に"こうなってほしい"という理想を持っているはずです。
その理想の中に"留学すること"が含まれていなければ、親は反対するでしょう。
親が、自分に対してどういう風に生きてほしいのか、それをしっかり聞き理解することもまた、自分を理解してもらうためには必要なことだと思います。
不安
自分の子供が海外でやっていけるのか、という心配も当然あるはずです。
英語も話せないのに、まだ子供なのに、なんて思われているかもしれません。
親にとっては、子供はいつまでたっても子供。
そういう親の気持ちを、ちゃんと理解していますか?
納得してもらうために必要な三つのこと
これらを踏まえた上で、親に納得してもらうためにぼくが思う最低限しなくてはいけないことを紹介します。
お金を払う価値があることを証明する。
もしかしたら、子供を留学に出してやる余裕なんてないかもしれない。
それでもどうしても留学をしたいのであれば、ちゃんとその留学の価値を自分で証明しましょう。
高いお金を払ってまででも、自分を留学に行かせる意味はある。
それを証明することが出来れば、理解してもらえるかもしれません。
ただ「海外が好きだから」「外国人と友達になりたいから」などの自分の欲求だけではなく、留学をすることでこれだけのメリットがあるということを、自身でもしっかりと理解し、伝える必要があります。
その留学の先に見える将来像を伝える。
留学をした。他言語が使えるようになった。
でも、その先にあなたは何を見ていますか?
親の描く理想とは違うかもしれない、だけど、それでも親を納得させられるような将来像が、あなた自身その先に見えていますか?
留学後の現実的なプランまでしっかりと見据えることができていれば、もしかしたらそれは親からの理解を得る大きな要素になるかもしれません。
海外でもやっていける力を見せる。
ただ留学に行きたい、というだけなら簡単です。
でも、留学生活というのはそれほど容易なものではありません。(程度にもよりますが)
英語の点数がクラスで下から数えた方が早いのに、アメリカに行きたいと言っても、親の不安は取り除けないでしょう。
自分が海外でもやっていけることを証明するためには、日本にいるうちから親を安心させられるだけの力を身につける必要があります。
単純ですが、テストで良い点を取る、英語の成績を上げる、など、身近で出来ることをやって、しっかりと親に自分の本気を見せなくてはいけません。
本気度を見せること=最低限すべきこと
例として三つ挙げましたが、結局大事なのは、どれだけ自分が留学に対して本気なのかということを見せられるか、ではないでしょうか。
本当に真剣な思いであれば、真剣に努力出来るはずです。
そんな真剣な努力=本気を見せることは、本気で留学したいなら最低限しなくてはいけないことです。
ぼくがしたこと
ぼくは留学を志し始めた当初、父親から厳しく反対されていました。
理解してもらえないことに対して「なんでやねん!」と苛立ちを覚えていましたが、今思えば父の反応は当然でした。
当時のぼくといえば大学での単位もろくにとれずバンドとバイトに明け暮れ、さらには就職活動もせずフラフラ。
父から見てみれば、海外でもう一度大学に行き、モラトリアムを継続したいだけの逃げのようにしか見えなかったのでしょう。
もしかしたら、思い立った当初はそういう側面があったのかもしれません。
だけど、留学への思いは日に日に募り、やがては親に理解してもらうために本気を見せるために動き始めました。
レジュメを作ってプレゼンした
まず最初にしたのは、自分が漠然と描いていたインテリアデザイナーという夢をもっと具体化するため、インテリアデザイナーとはなんぞや、ということを知ることでした。インテリアデザイナー関連の書籍や参考書などを読んで勉強し、とにかくインテリアデザイナーになるためには何をすべきかを知ろうとしました。
その後、留学での志望大学のリストや入学までの道のり、そして自分が今後留学に行くことでどういう人生プランを描いているか、ということを詳細に記したレジュメ用紙を7枚ほど作り、父の前でプレゼンしました。
手続きに関しても有料のエージェントを介さず自力でやることを約束し、卒業までに自分が何をするかをも表明し、頭を下げました。
生きがいだった音楽から離れた
その当時、ぼくにとっては"大学で仲間とやるバンド活動"は何物にも代えがたいものでした。
音楽のためにバイトをしていたといっても過言ではないし、生活は全てそのバンド活動に合わせて作られていました。
でも、"今"のバンド活動と"これから"のための留学を天秤にかけた時、バンドから一時的にでも離れなくてはいけないことを悟り、留学のため一時バンド活動から離れました。
英語(TOEFL)の勉強を開始
バンドから離れてぼくがやり始めたのは、英語の勉強でした。
当時の目標点数は120点満点中62点。それが、一番最初の志望校の要求する点数でした。
これが取得できるまではバンドや遊びから離れることを決意して、バイト中や移動中に単語帳を読み漁り、過去問を解きエッセイを書く日々を始めました。
大学でもTOEFL系の授業を取ったりして、とにかく英語漬けの日々。
ロック音楽を聴く比率は、半分くらいが英語のpodcastに変わっていました。
100%努力をしきったか、と言われれば正直もっと出来ることはあったな、と思います。が、とにもかくにもぼくはこれらを通し、父に本気度を伝えることが出来、無事に留学を許してもらえました。
本当に大変なのは、留学してから
留学は簡単なことでも、単純に楽しいものでもありません。
留学することそのものはゴールではなく、始まりです。
ぼくの場合も、留学にこぎつけた後も大学入学、進級など、次から次へと壁がありました。
そして今も、今後の生き方に対して必死にもがいている最中です。
留学を自分にとって価値のあるものにするため、今一度しっかりと自分の目的や思いを見定め、親御さんと向き合ってみてください。
そんな強い思いの先にある経験には、単なる学歴や英語能力だけでは計れない価値が、必ず存在しますから。
一緒に頑張りましょう。
本気かどうかがわからないやつに投資してくれるほど社会は甘くないですよ。(実体験)