もしこれからあなたが、留学や海外移住を考えているなら、その頭の中には様々な期待や希望で満ち溢れているのではないでしょうか。
あるいは、自分の言語力だったり、現地での生活に対する不安などで一杯でしょうか?
いずれにしても、きっと様々な思いが胸に溢れているのだと思います。
ですがたった一つ、絶対に胸に留めておいて欲しいことがあります。
あなたに、大切な存在はいますか?
もしあなたが天涯孤独の身で、日本に誰も大切な存在がいないのであれば、きっとこれから僕がここで伝えることは無意味でしょう。
ですが、恐らく殆どの人が祖国に、大切な誰かを残したまま海外に行くことになるはずです。
そんな大切な存在を、あなたはもしかしたら、海外にいる間に失うかもしれないのです。
海外で、大切な存在を失う恐ろしさ
僕は二度、海外で大切な存在を失いました。
最初は高校二年生の時。
一年間のカナダ留学の時、その留学資金を提供してくれた祖父の死を、僕は現地で知りました。
二度目は2015年。
14年間我が家の家族だった愛犬の死を、ぼくは留学先のニューヨークで知りました。
どちらも電話越しで、共に最期の姿を直接見ること、触れることは叶いませんでした。
大切な誰かの命が失くなるその瞬間、その人、存在と同じ地を踏んでいないということは、想像以上に苦しいものでした。
最後の瞬間、側にいられない辛さ
僕の場合
僕はただの留学生です。
自分で使えるお金の額は大きくありません。
自由に出来る時間は限られています。
何かあったからといって、片道約12,3時間、航空代10万円前後を使い、ちょっと日本に帰るというのは簡単なことではありません。
祖父の場合は、本人と両親の「留学に影響を与えたくない」という意思の元、彼の容態については何も知ることなく、亡くなってからそのことを知りました。
愛犬の時は、一ヶ月以上彼の様子を聞きつつ、息を引き取る数時間前、母にSkypeを通して彼の顔を見て、声をかけることができました。
どちらも学校の授業期間真っ最中のことで簡単には帰れず、祖父の時は葬儀にすら出れませんでした。
あなたの場合
もしあなたが航空券代や授業及び仕事期間、そういうものを全て気にせずいつでも日本に帰れるのであれば構いません。
ですが、金銭的、状況的に絶対帰ることの出来ない状況というのがある人には、僕と同じことが起こらないとは言えません。
留学や長期滞在とは、そういうものと常に隣り合わせだということを忘れないで下さい。
大切な存在の死は、突然やってくるかもしれない
これは、日本にいても海外にいても変わりません。
ただ、その最期の時、例え目の前でなくても、僕は出来るだけその存在の側にいたいと思うのです。
声をかけられない、目を見れないなら結局同じじゃないかと言われる方もいるかもしれませんが、僕も自身で理由はわかりません。
だけど出来るだけ近くにいたい、それが大切な人を持つ人間の心理ではないでしょうか?
同じ風に、多くの人も思っていらっしゃると思います。
だからこそ、留学・長期滞在というのは大きなリスクなのです。
あなたの友人が、家族が、恋人が、突然亡くなってしまうかもしれない。
その大切な人が最期を迎えるその時、あなたは遠く離れた地にいるかもしれない。
日本国内であれば、もしかしたら、帰れずとも限りなく近くまで行けるかもしれない。
だけどそれが海を隔てた遠い地だったら・・・?
それは、誰にでも起こり得るということを、決して忘れないで下さい。
それを理解した上で、今のいる場所を離れて下さい。
そして、その決断を無駄にしないように精一杯「生きて」下さい
最後に
愛犬の死から一ヶ月以上経ち、色々と考えていたら色々こみ上げてきて、勢いで書き始めてしまいました。
これはもしかしたら、自分に対しての戒めのようなものなのかもしれません。
こんな風に書くことで、「それだけのリスクを背負って海外で生活しているのだから、精一杯頑張らなくちゃいけない」そういうはじめの頃に抱いていた思いを、改めて認識するための。
本当はこの3倍くらいの長さがあったのですが、あまりに個人的な話が増えてしまいかなり削りました。
思いのまま書いたら恐ろしく長くなり、無理やり文章を削ってこの量まで減らしたので、ところどころ文章がおかしいかもしれませんが、ご容赦下さい。
祖父と愛犬の魂が、安らかでありますように。
そして日本にいる僕の友人や家族たち、また皆様の大切な人たちが健やかでありますように。