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時間がない人へのまとめ
- ニューヨークは「英語」を勉強したい初心者には不向きかも
- 日本人も多いし、英語を使わなくても生きていける
- でも、ニューヨークに来るべき理由は山程ある
そもそも語学留学の目的はなんなのか?
語学留学というのだから英語の習得が何よりの目的だとは思うのですが、人によってはそれが一番とは限りません。
例えば、ただ単純に海外生活を体験してみたい、外国人の友達が欲しい、本場のXXXを体験してみたい、〇〇に行きたい、など、勉強以外の目的を持っている人も多くおられると思います。
ぼくがここで書く内容はあくまで、外国人の友達が欲しいあるいは英語が話せるようになりたいという目的で"語学留学"を考えている人に向けてのアドバイスになります。
ポイント①ニューヨークには日本人が多い
ニューヨークに限らず、世界中の大都市には大勢の日本人が暮らしています。
その多くの日本人が、コミュニティを形成しています。
これが良いのか悪いのかは置いといて、この日本人コミュニティがものすごく狭い。
この世界有数の大都市ニューヨークですら、こないだたまたま知り合った人が友達の友達だった!なんてことがザラで、五年も住んでいると共通の友達がいない人を見つけるのが難しいくらいになってきます。
だから、ニューヨークでは日本人の友達を作るのがものすごく容易です。
日本じゃ知り合えなかった業界の人ともザラに出会えたりします。
そんな日本人コミュニティの中に一度入ってしまうと、心地よくて抜け出せなくなりがち。
だって楽だから。
FacebookやInstagramなんかを見ていても、日本人同士でつるんでる人が多々いるのを良く見かけますし、実際ぼくもそうでした。
それが悪いなんていうつもりは毛頭ありません。
ただこれは、英語を学びたい、外国人の友達を作りたい、という人達にとっては致命的だとぼくは思います。
日本人同士でつるんで日本語しか話さない環境で英語が上手くなることは、まずありませんから。
ポイント②「日本」が珍しくない
ぼくは高校時代、一年間カナダのアルバータ州のド田舎で過ごしました。
その街には日本人が全然いなくて、ぼくは珍しがられて良く可愛がってもらいました。(嫌な目にもあったけど)
今ほどインターネットになんでも情報がなかった頃、そこに住む彼らにとってはJAPANは遠い国でした。
JAPANのことは、「ぼく」を始めとする数少ない日本人からじゃないと聞けないことも多くて、日本に興味のある人は皆、積極的にぼくの話に興味を持ってくれました。
おかげさまで話す機会も多くなり、英語は伸びたし、現地の友人も沢山出来ました。
こんな経験があったので、ニューヨークでも楽勝だと思っていたのですが、現実は全く違いました。
大都市であるニューヨークには先述の通り、ぼく以外の日本人がとてもたくさんいます。
さらにインターネットの進化や長年の文化交流によって、街中には日本食のレストランが溢れ、日本のものだってすぐに買えたりします。
日本のことを知りたいからといって、わざわざぼくを通す必要なんてありません。。
「日本人だ!」という理由で興味を持ってもらえる確率というのは、やはりニューヨークのような大都市ではとても低い。
受け身な日本人にとっては、このような機会損失は語学留学をする上で非常に厳しいと感じます。
ポイント③英語喋れなくても生きていける
人種のサラダボウルと言われる位、ニューヨークは多民族の入り混じった場所です。
辺りを見回せば、その多様性に驚くこと間違い無し。
でも、ここにいる人間がみんな英語で意思疎通を図っているのかといえば、そうでもありません。
やはり日本人と同じく、各国の人にはそれぞれの国のコミュニティがあり、その中でしか生活していない人々は英語が話せない人も多くいます。
極端な例を挙げると、ぼくが住んでいた家の近所にチャイニーズスーパーがあったのですが、そこのレジのおばちゃんは日本人中学生レベルの英語しか話せませんでした。
それもそのはず。
同僚は皆中国人だし、客も近隣の中国人を始めとしたアジア人がほとんどで、まともな英会話はここでは必要ありません。
こんな人が、ニューヨークシティにはザラにいます。
そしてまた、ネイティブの人間もそういう英語が不自由な人間に慣れているので、皆対応が上手い。(優しいのとは違う)
普段の生活に高い英語のスキルは求められないし、ぶっちゃけ殆ど喋れなくてもなんとかなっちゃう。
知り合いの日本人で、ぼくより全然長くこちらにいるのにぼくより英語が下手な人もたくさんいることが、そのことを如実に表しています。
ポイント④日本人向けの情報が充実している。
上記二つと被るのですが、ニューヨークのような都市部あ日本人向けの情報サイトなどが非常に充実しています。
家探し、仕事探し、チケット手配、ましてや友達探しまで、あらゆる情報が日本語で探すことができます。
便利だな、と思う反面、経験上英語は苦労した方が伸びるとぼくは考えているので、これは大きなデメリットだとぼくは考えています。
このように、頼れるものが身近にあることは、生活を安心かつ快適にしてくれる反面、英語学習の妨げにもなりかねません。
ポイント⑤語学留学生が語学留学生でない。
これの意味するところは、ずばりビザです。
アメリカは9.11以降、様々な規制によって非常にビザの認可が厳しくなり、さらにはトランプ政権の影響もあってその厳しさに拍車がかかっているという噂です。
しかしこの街で働きたいという人達は世界中から集まり続けていて、そんな人達全てに就労可能なビザが発行されるわけでは、当然ありません。
じゃあどうしているのかといえば、まず比較的取得の容易な学生ビザ(F1ビザ)でNYに来ます。
そして形式的に語学学校に入り、(時には違法アルバイトなどをしつつ)自分の分野での活動をしながら、就労ビザもしくは芸術家ビザの取得の機会を窺っている、という格好です。
この行為自体の良し悪しは置いといて、こういう人たちは英語を勉強することが一番の目的ではないので、やはり「英語を勉強する」という目的の人とはモチベーションがずれてしまう。
そういう人達が周りに多くいる環境の中では、英語に優先順位を置いて生活するのは厳しいのではないでしょうか。
それでもニューヨークに来るメリットはある
ネガティブなことばかり書いてしまいましたが、今回はあくまで「英語を話せるようになりたい」「外国人の友達が欲しい」という語学留学を考えている人に向けてのもので、そうではない人にとっては上述の内容はむしろメリットにもなり得るかもしれません。
ただ、「英語を学ぶ」にはいろんなものがありすぎるんです。
「語学留学」という枠組みと別に見れば、ニューヨークは人生で一度は来るべき場所なのは間違いありません。
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語学留学したい。でも、ニューヨークにも行きたい。
そういう人たちにぼくは、ニューヨーク以外の語学学校で短期間でもしっかり英語を学び、それからこちらに来てはどうかと提案します。
ある程度の英会話が出来るようになってから来れば、日本語環境に逃げる必要がなくなるので、上で書いたような日本語にまつわるデメリットの心配が必要ありません。
そのためにも、例えば格安のフィリピン留学などで一ヶ月ほど英語だけをみっちりやるのもいいしょう。
また、最近ではオンライン英会話のレベルもぐんぐんと上がってきていて、日本にいながら非常に高品質な語学学習が出来ると話題になっています。
どうしてもアメリカに行きたい、というのであればできるだけ日本人の少ないエリア、それもある程度田舎がいいでしょう。
生活に関する刺激は少ないかもしれませんが、英語に触れる時間が長ければ長い程それは体に染み付くものです。
実際ぼくも日本人の殆どいないカナダの田舎町での生活や、アメリカ人とのルームシェアで、英会話が飛躍的に成長しました。
日本語を極力使わない環境を作り出せるかどうかが、語学力上昇の大きな要素になるのは間違いありません。
まとめ
今回は、ニューヨークという街が「語学留学」に向かない理由について紹介しました。
改めてデメリットをまとめておきましょう。
- ニューヨークには日本人が多い
- 「日本」が珍しくない
- 英語喋れなくても生きていける
- 日本人向けの情報が充実している
- 語学留学生が語学留学生でない
ただ、これらを見てもらっても分かる通り、これは逆に言えば「語学がメインではない留学」をしたい人にとっては大きなメリットでもあります。
アーティスト活動がしたい、とかダンスを学びたい、などの英語が主目的ではない人にとっては、この日本語に恵まれた環境は逆に後押しにもなり得ます。
ちなみに、アート留学を考えておられる方にはぼく自身も通っていたPIアートセンターがおすすめ。
マンハッタンの中心部にあり、学生ビザの発行、有名美大の講師陣、日本語のサポートなどが充実しています。
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