2012~2015年までぼくが通ったFIT(Fashion Institute Technology/ファッション工科大学)について書くシリーズその3。
少し順番が前後するのですが、この次の記事で行う<FITの受験申し込み>を完了してから必要になる書類の中に、今までの成績証明書があります。
この成績証明書は、ただFITに郵送すればいいというものではなく、WESという機関で査定してもらった上でFITに提出することになるのですが、そのプロセスに時間がかかりますので、早めに動いておくことをおススメします。
入学がもう随分と前であまり覚えていない&成績表提出の方法が変わってしまったこともあり、なかなか記事にすることが出来なかったのですが、友人で現役FIT生でグラフィックデザイナーのJURIちゃん(@juriokita)にも協力を得て資料などについても色々情報をもらいながら書くことが出来ましたので、ぜひ参考にしてください。
英文成績証明書の提出
FITへの受験申し込みを行うためには、それまでの自分の学歴を証明する書類を英文で提出しなくてはいけません。
但しこれは単純に、取得してFITに直接送りつければいいということではないんです。
詳しく解説していきますが、まず大きな流れとしては
⇩
WESに送付(GPSに換算)
⇩
WESからFITに送ってもらう
というプロセスになるということをご確認しておいてください。
WESとは?
WESはWorld Education Servicesの略で、世界における教育の動向を調査している機関です。
ここでは、各国の学校における成績をアメリカ式の評価に変換してくれるサービスなどを行っており、FITはこの機関と提携して留学生の過去の成績を集めています。
紹介動画▽
これはいわば、日本で取得した成績がアメリカでどういう風に扱われるものなのかを審査、査定する機関であり、日本での「優・良・可」だったり「A・B・C」だったりする成績評価を、WESが全てGPA化してアメリカでも有効なオフィシャルな文書に変換してくれるというサービスです。
GPAとは?
成績を数値化したもの。最大数は4.0で各数字が優・良・可などにあてはめられて計算されるが、どの評価がどの数字に当てはまるかは、学校によって違う。(優と秀をともに4とする場合もあれば、秀は4、優は3とする場合もある)
最近はうちの母校でもGPAを取り扱い始めたそうですが、ぼくが在籍していた当時はまだ成績表にGPAの表記はありませんでした。
FITでは基本的に入学要件としてGPA3.0を指定していますが、ぼくが自分で計算した結果では2.99という数値が出て3.0未満になったのにも関わらず受かったので、学校側の計算では3,0以上が出たのか、ぼくの計算が間違っていたのが、あるいはGPAの足切りは意外と甘いのか、正確な情報はわかりません。
(ぼくの入学当初はWESは必須ではなかったので、ぼくは取得していません。現在は必須になっています)
通っていた学校から卒業証明書及び英文成績証明書を取得
FITでは明記されていませんが、WESが成績の査定を行う際は成績証明書だけではなく卒業証明書も念のため送付した方がいいようです。(学歴の証明のため)
というわけでまずは今まで通った学校から英文の(👈ここ重要)成績証明書&卒業証明書を取得する必要があるのですが、これは学校によって発行にかかる日数が大きく変わります。
例えばぼくの場合は日本で通っていた大学と高校から証明書をもらってきたのですが、大学は即日発行してもらえましたが、高校の場合は当時の担任のサインなどが必要だったので5日ほどかかりました。
また、一般的にこのような成績書類をやり取りする場合、改ざんの対策として一度封を開いたものは無効とされるので、必ず厳封&捺印してもらったものを
地方の学校だとかなり時間がかかる可能性もできるだけ早めに母校に依頼するようにしましょう。
WESに英文成績証明書を送付
無事に取得したら、WESへと書類を送ります。
まずはWESにアクセス。
TOPページからFor Studentsを選び、さらに表示される画面の左メニューの一番上、Apply Nowを選択。
ここからApply Nowを選択して指定された項目を埋めていけばOKです。
無事に登録されるとこんな感じのメールが届きます。
ぼくも必須ではなかったけど一応登録していたようです。残ってるもんですね(笑)
このメールのorder an evaluationを押すかHPにアクセスしてログインし、必要事項の記入を済ませて支払いを行い、書類を送ります。
これはWESを利用した友人の話なのですが、大学の単位移行のために各教科ごとの成績を出すCourse by Course(教科ごと)を選択したそうです。
ちなみに高校卒業からそのまま受験したJURIちゃん曰く
[voice icon="http://sagadylan.com/wp-content/uploads/S__1040492.jpg" name="JURI" type="r"]私は1番安い$100のを選びました。教科ごとの成績じゃなくて平均値が書かれてただけだったので、各教科の成績をアピールしたい人は$160の方がいいかも?[/voice]とのこと。
JURIちゃんの場合、高校からそのままなので単位移行などの心配もいらないのでこの$100のDocument by Document(書類ごと)のものでも良かったようですが、ぼくらのように一度大学を出てる、とか短大で単位を取った、みたいな人は$160のものを選んでおいた方が安心かもです。
さらに次の画面では郵送の方法を選びますが、こちらは左のStandardで問題ないはず。
それより重要なのが、下部のAdditional reportの部分で、これはいわば、WESから直接FITに成績表を送ってもらうというオプションで、必須です。
現在FITはぼくの時とは違い、WESから直接送られてきた成績表しか受け付けておらず、それ以外の方法では受験要件を満たせません。
結局合計額は$200もかかります。そこそこの出費ですが仕方ありません。
支払いはCredit Card(クレジットカード)、Check/Money Order(小切手)、Western Union Online Money Transfer(ウエスタンユニオンの電子送金)から選べます。
自己計算のGPAは当てにしないで
成績表にGPAが載っている場合を除き、学校からもらってきた英文の成績をベースに自分で計算したGPAは当てになりません。
というのも、日本での成績の評価のつけ方(秀優良可不可orABCD)などが必ずしもそのままGPAの4321に当てはまるとは限らないから。
まさにそれをどういう風に判断するかがWESの仕事であり、ぼくの友人にも自己計算だったら1.9とかだった人間がWESを通すと3.2なった、なんて事例もあるので、絶対にあきらめないでください。
GPAが明らかに足りない場合
自己計算でもダメ。WESから来た点数もダメ。
そんな場合の対策としては、別の学校(大学/コミュニティカレッジあるいはそれに準ずるレベルの授業を提供している機関)で12単位以上取得する、という方法があります。
この場合、それ以前の成績は加味されないので、そこでGPA3.0を超える成績を取得すればFITの受験要項を満たすことが出来ます。
※ただしこの場合、それ以前に取得した単位を移行できない可能性もあるらしいです。細かいことはやはり直接FITに確認する方がいいと思います。
ちなみにFIT内でも同じことが出来て、ようは入学(受験)する前にサマースクール(non-degree courseといいます)などで12単位を先に取り、その成績をGPA3.0以上にしてしまえば、条件を満たすことができます。
ただし、non-degree courseは通常の学費に比べてかなり割高なので、やはり多くの人は外部のコミュニティカレッジなどで一般教養などの単位を取得して稼ぐパターンが多いみたいです。
まとめ
改めてWESに成績を送るまでのプロセスを整理しておきましょう。
- 通っていた学校から卒業証明書&成績証明書を取得
- WESに登録し、プランを選んで送る
- WESから自分とFITに成績表が送られる
以上です。
この作業は勉強や作品の度合いに関係なく、学校を卒業していたらすぐに始められるので出来るだけ早くやっておくようにしましょう!
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記事制作に協力してくれたJURIちゃんについて
JURI
大阪出身。グラフィックデザイナー。ニューヨーク州立ファッション工科大学(Fashion Institute Technology/FIT)コミュニケーションデザイン学科所属。ファッション雑誌NYLON公式インスタグラマー。オリジナルLINEスタンプ「TEEN LIFE」販売中!
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