2012~2015年までニューヨーク州立ファッション工科大学=Fashion Institute Technology(通称:FIT)に通っていました。
名前的にファッションの大学のようにも見えますし、実際ファッション関連で非常に有名な学校なのですが、ぼくが在籍していたのはインテリアデザイン学科です。(あまり知名度は高くないですが、カリキュラムの厳しさではファッションデザインとFITの二大巨頭と言われます 笑)
一応アメリカではそこそこ名の通ってるニューヨークの有名校で、日本からの留学希望者も多く、たまにぼくのところにも相談が寄せられます。
今後受験を考える人にも向けて、実際に通った目線から今後数回にわたってこの学校の受験や実際の学校生活について紹介していきたいと思います。
FITってどんな学校?
FITは、正式名称がFashion Institute Technologyといって、日本名ではファッション工科大学といいます。
たまに「フィット」と略す人がいますが現地でその略し方する人は皆無で「エフアイティー」と呼びます。
SUNYの一つ
FITは、SUNY(スーニー)の学校の一つ。
SUNYというのはState University of New York(ニューヨーク州立大学)の略で、ニューヨーク州にある64校で規制される大学機構のこと。
FITはのそのうちの一つで、他のSUNYの学校がオルバニー校やバッファロー校などと呼ばれるのに対し、ファッション工科大学という独自の名前を持っている数少ない学校で学校です。
立地
FITがあるのはニューヨークのメインエリア、マンハッタン。
中でもアーティストが多く集まるチェルシーと呼ばれるエリアに位置しています。
タイムズスクエアからも歩ける距離で、近隣にはギャラリーやインテリアショップ、古着屋などが点在しており、飲食店やスーパーも多いなど便利なエリアです。
学部・学科
FITは他の総合大学に比べて、ファッションやデザイン、アートなどに特化した学校で、ファッションデザインを始め、インテリアやアクセサリー、また全米で唯一のトイ(おもちゃ)デザインの学科を持つ大学でもあります。
大きく分けてデザイン系とビジネス系の学科に分かれるのですが、中でも有名なのはやはりファッションデザインやファッションビジネスといったファッション関連の学科。先生も生徒も、おしゃれな人がたくさんいます。
コース
FITで受講出来るコースは大きく分けて4つに分かれています。
- AAS(アソシエイト)-準学士コース。四年制大学の下二年にあたる。(学部によって一年コースもあり)
- BFA(バチェラー)-学士コース。四年制大学の上二年にあたる。
- Graduate(グラヂュエイト)-修士コース。大学院のこと。
- Certificate(サーティフィケイト)-パートタイムで授業が取れる受験不要コース。I-20が発行されない。
受験・入学要件
入学に関しては留学生は基本的にTOEFLの点数がその合否を左右します。
AASにおけるTOEFLの最低点数は基本的にiBTで80点。
デザイン系の学部の場合はこれにさらにポートフォリオの提出が求められます。
また、編入に関しては情報があまりなく事例も様々なので一概には言えませんが、デザイン系は4年でカリキュラムが固定になっている学部も多いのでBFAからの編入などはとても難しいそうです。
日本の大学を卒業している場合は、一般教養や関連授業の単位は移行してもらえるので授業を減らすことは出来ますが、卒業が早まる、ということはほとんどないそうです。
学費について
1Semester(セメスター)というのが日本でいう学期のことであり、年間2セメスターで構成されています。
各セメスターごとの授業料は以下を参照。
州立大学ということで、ニューヨーク州の住民とそうでない人(留学生含む)との間に3倍もの学費の差があります。なんだそれ!
為替にもよりますが、AASで年間$13,500=約152万($1=113円の場合)。
日本の私立大学と同じかそれより高いくらい。
ちなみにニューヨークの他の有名校である(あのマリエが通ったので有名な)パーソンズ大学やプラット大学などの私立大はこの四倍くらいの学費なので、これでもまだ学費は安い方です。
読んでくれている方がこの情報を見た時も変わっている可能性があるので、必ずここからチェックするようにしてください。
ぼくが通っている間にも少しあがったので。
卒業生
卒業生には著名人も多く、特にファッション業界に多いですね。
ぼくでも知ってる人だと
- カルバン・クライン
- マイケル・コース
- セリーヌ
などが有名です。
また、経営者である奥田務さんも卒業生です。
これから受験を考えている人へ
学生として在籍した経験から、非常に「実用的」な技術や知識を学ばせてくれる学校だと強く感じています。
実際、先生達も早いうちから「卒業後、即戦力になれる人材」を育てることを明言しており、非常に実践的な課題やプレゼンテーションをこなさせられました。
ドラマや映画で見るような華やかな大学生活はそこにはありません。(もちろん楽しもうと思えば自分次第でいつまでも楽しめると思いますが)
しかし、自分が目指す業界で働くために確かな力を身につけることを目指すのなら、とても素晴らしい環境だとぼくは思います。
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海外美大留学を目指すなら
もし海外美大留学を目指しているのなら、ぼくが通ったニューヨークのPI Art Centerは非常におすすめです。
講師陣は有名美大の教授や現役アーティストたちが揃い、日本語によるサポートも充実しています。
詳しくは以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。