留学する人にとって、日本から現地にお金を送る「海外送金」は避けて通れません。
しかし海外送金の仕組みは少し複雑なで、多くの人が海外送金についての正しい知識を知らないために、余計な手数料と時間を損している現状があります。(ぼくもそうでした)
この記事では、この海外送金で損をしないために知っておきたい知識についてまとめました。
各銀行でかかる手数料比較、おすすめのサービスなども紹介しています。
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海外送金の基本5タイプ
まずは、海外送金の基本的な3つのタイプを紹介しましょう。
1.日本の一般銀行からアメリカの銀行への海外送金
はじめに紹介するのは、おそらく最もメジャーな方法である、元口座でドルに両替(あるいは円建て)で受け取り口座へと送るタイプ。
これは送金元の銀行口座が、受取側の取引銀行に入っていない場合に、間で中継ぎをしてくれる銀行に資金の受け渡しを依頼する仕組みです。
海外(特にアメリカ)の大手銀行は、日本の大手銀行と取引口座を持っていないケースがほとんどなので、ゆうちょ銀行をはじめ、UFJ、三井住友、みずほなどのメガバンクを利用した海外送金は、基本的にこのタイプにあてはまります。
このタイプでは、以下のような手数料がかかります。
- 為替手数料
- 中継銀行手数料
- 受取手数料
銀行などによって呼び方や手数料率は変わりますが、手数料のみで10,000円前後かかるケースが多いです。
2.同一グループ内の銀行を使った海外送金
2つめは、同一グループ内の銀行を利用することにより、中継銀行を通さず(中継手数料を使わず)送金するタイプ。
海外支店*を持っている銀行や、プレスティア(SMBC信託銀行)などがこれに当たります。
中継手数料がない分、手数料は安いですが、対応している銀行が少ない、海外支店が少ない、などのデメリットがあります。
3.FX口座での両替を組み合わせた海外送金
3つめは、FX口座を利用しての両替を使って送金をするタイプ。
これは最初の手続きに少し手間がかかるのと、FX口座という慣れないものを使うため、あまり利用者は多くありませんが、実は手数料を最も抑えることができる方法です。
FX口座であるマネーパートナーズでは、業界最安の手数料による両替を実現しているので、現地で外貨取引ができる口座を持っている場合は、かなりお得に海外送金ができます。
4.海外で使えるプリペイドカード
4つめは、海外専用のプリペイドカードを使ったパターン。
必要な手数料が両替時の為替手数料のみで、事実上送金を行わずに現地で現金をそのまま引き出せる方法です。
上記で紹介したマネーパートナーズが発行する、マネパカードなどがこれに当たります。
5.TransferWise
最後に紹介するのは、今後、新しい海外送金の定番となっていくサービスであろう、TransferWise。
TranferWiseはイギリス発の海外送金サービスなのですが、彼らは世界中に専用の銀行口座を持っているので、実際にお金を動かす必要がないのです。
例えば日本で送金依頼があった場合、現地の支社へと即座に連絡が行き、現地口座から自分の入金した額分だけをおろすことができます。
実際に送金を行っていないので、両替にかかる為替手数料も、中継銀行を使うための手数料も、受取にかかる手数料も必要がなく、実際にかかるのはサービス利用手数料のみ、というのがTrasferWiseの手数料がお得な理由です。
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海外送金に関する基礎知識
ざっくりと海外送金のパターンを紹介しましたが、いろいろな手数料の名前などが出てきてややこしいですよね。
海外送金で避けては通れないのが、この手数料についての理解。
そしてTTSレートについてです。
海外送金にかかる各手数料
海外送金にはさまざまな手数料があって超ややこしいでですよね。
以下、今までに聞いたことがある手数料の名前をざっと挙げてみました。
- 為替手数料
- 送金手数料
- 外貨取扱手数料
- 仲介手数料
- 関係銀行手数料
- 受取手数料
こうやって見ただけでも、手数料が多すぎて嫌になります。
しかも銀行によって微妙に呼び方が違ったりとややこしいのですが、理解できればそれほど難しくありません。
以下、それぞれの手数料についてまとめてみました。
1.為替手数料
自分で調べた為替レートと、実際に銀行で両替した時のレートが違った、という経験をされたことがある方は多いのではないでしょうか?
その理由は、銀行のレートには為替手数料が乗っているから。
通常、銀行での海外送金/両替の際は、基本の為替レートに対し、銀行が定めた為替手数料がのせられたレートで取引が行われます。
わかりにくいので「隠れ手数料」なんて揶揄されることもありますが、一応銀行側はそれぞれ為替手数料を公表しています。
銀行名 | 為替手数料(1通貨あたり) |
三井住友 | Web:0.5円 電話・窓口:1円 |
三菱UFJ | Web:0.25円 窓口:1円 |
みずほ | 0.25円 |
楽天 | 0.25円 |
住信SBIネット | 0.4円 |
マネーパートナーズ | 0.2円 |
この為替手数料を乗せたレートがTTSレートと呼ばれるもので、両替を行う際は各銀行のTTSレートが適用されます。
ただし、ここでの為替手数料の安さのみでは判断できないので注意が必要です。
銀行によっては、以下の手数料がかかってきます。
2.送金手数料
送金手数料は、海外の銀行にお金を送金するときに送金元の銀行側から発生する手数料です。
「"海外送金"というサービスを使うための手数料」と認識しておけばいいでしょう。
各銀行それぞれが独自の料金を設定していますが、有名銀行は大体2,000円~5,000円で設定されています。
3.外貨取扱手数料/仲介手数料/関係銀行手数料/中継銀行手数料
基本的に国内の銀行では外貨は特別扱いですので、国内の口座から外貨を動かす時にかかる手数料のことを外貨取扱手数料/仲介手数料/関係銀行手数料と呼びます。
- 外貨取扱手数料:元銀行から外貨を動かすための手数料
- 仲介手数料/関係銀行手数料/中継銀行手数料:元銀行から中継銀行へ送金するための手数料
基本的にはどこの銀行もこのうちのどれかしか徴収しないので、ざっくり同一として捉えていいでしょう。
4.受取(受け取り)手数料
日本の銀行からアメリカの銀行に送金する際、最終的に受け取る側の銀行でも、定められた手数料が発生します。
これも各銀行が定めた料金で銀行によっても違うのですが、大体$5~30くらいが目安でしょう。
ちなみにぼくが使っていたCHASE bank(チェイスバンク)では一律$15でした。
海外送金手数料は、レートと手数料の両方に注意
海外送金は基本的に、これらの手数料とTTSレートの組み合わせによって最終的なコストが変わってきます。
TTSレートが低くても送金手数料が高い銀行もありますし、逆に送金手数料が安いけどTTSレートが高い銀行もあります。
以下に、主要銀行の手数料を表にまとめてみたので参考にしてください。
各銀行の海外送金手数料比較
※右スクロールできます。
銀行名 | 1.送金手数料 | 2.外貨取扱手数料/仲介手数料/関係銀行手数料(依頼人負担の場合) | 3.為替手数料(基本レートに加算される額) | その他注意点 | $1=120円で、$2,000(240,000円)送金する場合の合計額(1+2+3) | 口座開設用のリンク |
ゆうちょ銀行 | 2,500円 | 100ドル以上の場合=10ドル(1,200円) | +1円 1,000ドルあたり1,000円 | インターネットでは取引できない 円建て送金ができない(事前に両替が必要) 受け取り先銀行の手数料(口座登記料)がかかる($5~$30) | 5,700円(2500円+1,200円+2,000円)+受取銀行手数料(口座登記料)=約6,200~9,300円 | 口座を開く-ゆうちょ銀行 |
三井住友銀行 | 4,000円(オンラインなら3,500円) | 送金金額の1/20% (最低2,500円) | Web:+0.5円 電話・窓口:+1円 1,000ドルあたり1,000円 | ネット手続きの場合8,000円(:3,500円+2,500円+2,000円)+受取銀行手数料=約8,600~12,000円 | 口座開設・切替 : 三井住友銀行 | |
三菱東京UFJ銀行 | 4,000円(オンラインなら3,500円) | 送金金額の1/20% (最低2,500円) | Web:+0.25円 電話・窓口:+1円 1,000ドルあたり1,000円 | ネットの取引では100万円まで(電話なら200万円まで、それ以上は窓口のみ)口座開設から利用可能まで一ヶ月以上かかる | ネット手続きの場合8,000円(:3,500円+2,500円+2,000円)+受取銀行手数料=約8,600~12,000円 | 口座をひらく | 三菱東京UFJ銀行 |
楽天銀行 | 750円 | 送金額の0.1% (最低1,000円) | +1円 1,000ドルあたり1,000円 | 送金限度額が一回100万円 昼夜でレートが変わり、夜間はレートが高くなる(1.7%前後) | 2,750円(750円+1,000円+1,000円)+受取銀行手数料=約3,350~5,350円 | 楽天銀行 カンタン申込 |
新生銀行(Goレミット) | 2,000円 | - | +0.15~0.07円* 1,000ドルあたり70円~150円(最低1,500円) | 中継銀行がシティバンクなので、受取先銀行もシティバンクの場合は無料 それ以外は上と同じように | 2,300円(2,000円+300円)(+シティバンク以外の場合は受取銀行手数料)=約2,300~5,900円 | |
プレスティア・SMBC信託銀行(旧シティバンク) | 3,500円 | 1,500円 | +1円 1,000ドルあたり100円 | 口座の維持手数料が毎月2,000円かかる。(円で50万以上、外貨で20万相当以上であれば無料) マルチマネー預金口座&米ドル口座を組み合わせると、1&2は無料になる。*1 | 5,200円(3,500円+1,500円+200円)+受取銀行手数料=約5,800~8800円 | 口座をひらく | インターネット口座開設特典 |
ソニー銀行 | 5,000円 | 3,000円 | +約0.15円 1,000ドルあたり150円 | 振込先の事前登録に2週間かかる | 8,300円(5,000円+3,000円+300円)+受取先銀行手数料= 約8,900~11,900円 | 現在実施中の口座開設企画|MONEYKit - ソニー銀行 |
ジャパンネット銀行 | 海外送金は不可 | $25(3,000円) | +約0.05円 1,000ドルあたり50円 | 海外送金が出来ないので、両替後に他の銀行を経由する必要がある。 | 後述*2 | 口座開設|ジャパンネット銀行 |
マネーパートナーズ | 海外送金は不可 | 2,500円 | +約0.2~+0.4円円 1,000ドルあたり200円~400円 | 海外送金が出来ないので、両替後に他の銀行を経由する必要がある。 | 後述*2 | |
マネパカード | 現地で直接引き出すので海外送金は不可(不要)*3 | - | +約0.8円 1,000ドルあたり800円 | そもそも海外送金ではないので、現地の銀行が必要ない/直接送金は出来ない 現金を引き出して現地のATMに入れることは可能 | 1600円+ATM利用料(約$2~4)=約1600円 |
海外送金の手数料を抑える方法
これまでの情報を踏まえて、実際に海外送金の手数料を抑えるためにできる具体的な方法を紹介します。
1.プレスティアを使いこなす
元シティバンクがSMBC信託銀行と統合されて生まれた新サービスのプレスティアは現状、送金手数料が最安です。
通常は送金手数料3,500円と外貨取扱手数料1,500円がかかりますが、マルチマネー預金口座&米ドル口座を組み合わせることでこれらの手数料が無料になります。
2,000円/月の口座維持手数料がかかりますが、これも円で50万円以上、外貨で20万円相当以上であれば無料になります。
さらに以下で補足しているネット銀行との組み合わせで、海外送金にかかる手数料を劇的に抑えることが出来ます。
2.為替手数料がお得なネット銀行を利用する
先の表を見てもわかるように、普通の一般的な銀行による海外送金を行うよりも、ネット口座である楽天銀行や、FX口座のマネーパートナーズなどを利用したほうが、海外送金のコストは圧倒的に抑えられるのがお分かりいただけるでしょう。
特にジャパンネット銀行とマネーパートナーズは、他に比べて両替手数料が激安。
ただしこの二つは単体では海外送金が出来ないので、先のプレスティアSMBC信託銀行を組み合わせるともっともコストが抑えられます。
こちらの具体的な方法は、以下の記事で紹介しています。
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3.海外専用プリペイドカードの利用で送金を行わない
また、海外専用のプリペイドカードは海外送金自体を行わないので、余計なコストがかかりません。(ただし現地でのATM利用料がかかります。)
TTSレートは、マネパカード単体だと両替は1通貨あたり0.8円と、それほど安くはありませんが、
マネーパートナーズで両替(為替手数料0.2円/1通貨)+クイック入金で振込(無料)を組み合わせることによって、劇的にコストが抑えられます。
現地のATMで下ろせる限度額などの縛りや、ATM手数料が毎回かかってしまうというデメリットはありますが、あまり学が大きくない、海外に滞在する時間が短いというような人にはオススメの方法です。
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まとめ
- 必ずしも海外手数料の安さだけで判断してはいけない
- 両替手数料&為替レートに要注意
- ネット銀行やFX口座を効果的に使うこと
- 可能であれば是非プレスティアSMBC信託銀行の口座を
- プリペイドカードと外貨キャッシュカードをうまく使おう
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