観光スポット巡りも楽しいですが、ニューヨークという街の歴史や文化、そこに根付く思想や物語などを知ることが出来ると、より深くニューヨークを楽しむことが出来ます。
なぜ首都でもないこの街がこれほどまでに発展し、これほどまでにアメリカの中で得意な位置に立ち、これほどまでに世界を魅了するのか。
それを知りたくて、ぼく自身いろいろな本を読みました。
その中でも、ニューヨークを深く知りたい人におすすめの9冊+1冊をラインナップしてみたので、もしご興味のある方はニューヨークへ来る前に、あるいは来る道中に読むためにでも、是非一度手にとってみて下さい。
ニューヨークをより深く知ることのできる10冊
モダン – 原田マハ
かつてMoMA(ニューヨーク近代美術館)で働いていた著者が描き出す、MoMAに関わる人々の短編集。
フィクションでありながらも、一度MoMAに行ったことがある人であればそのリアリティのある描写にニヤニヤするはず。
ニューヨーク・スケッチブック
ニューヨークで生まれ育った作家ピート・ハミルによる短編集。
恋愛や友情、孤独と喪失などをテーマに30以上の物語が詰め込まれており、一つ一つは短いながらも深く感じ入らせる物語たち。
少し古い時代のニューヨークを描いてはいるものの、本質は今も昔も変わらないことを感じさせられます。
ニューヨーク – 亀井俊介
文化研究者、亀井俊介氏によるど直球タイトル。
アメリカ文学者として名を馳せる著者が読み解くニューヨークに、学ぶこと多しです。
ニューヨークで暮らすということ – 堀川哲
社会思想史学者、堀川哲氏が描く「リアル」なニューヨーク像。
雑誌やネットだけでは見られない、 生々しい人種や文化の入り混じりが描かれています。
錯乱のニューヨーク – レム・コールハース
建築家レム・コールハースによる、ニューヨークという街の分析および歴史解説。
非常に難解で全てを理解するのは無理でしたが、当たり前のように見ていた建築物たちの知られざるストーリーを学べる一冊。
街道をゆく39 ニューヨーク散歩 – 司馬遼太郎
歴史作家、司馬遼太郎氏による、ニューヨークのエッセイ。
小説ではちょっとくどいくらいの彼の話しぶりですが、このエッセイでは細やかな描写でリアルなニューヨークを描き出しています。
ニューヨークを読む 作家たちと歩く歴史と文化 – 上岡伸雄
ニューヨークを舞台とした作品を紹介しながら、ニューヨークの成り立ちや歴史、文化などを紹介している一冊。
ニューヨークに来る前に一読しておくと、その街がどれほどまでに多くの作品の舞台となったのか、なぜそうなったのかを感じ取ることが出来ます。
またさらに、この中で紹介されている本も手に取ってみると、さらにニューヨーク観光に深みが増すでしょう。
ニューヨーク美術案内 – 千住博
主にメトロポリタン美術館とMoMAの所蔵品を中心に、単なる作品の紹介ではなく、その作品の「見方」に触れている一冊。
アーティストである本人の視点から見る作品分析は、デザインやアートの世界を志す人にとても非常に勉強になります。
ニューヨーク 建築様式を読み解く – ウィル・ジョーンズ
ニューヨークにある様々な建築物を、専門的な視点から読み解く一冊。
街歩きが好きな人は、これを読んでから街を歩けばより一層ニューヨークの街を楽しむことが出来ます。
ミイラにダンスを踊らせて – トマス・ホーヴィング
実はこちらはぼくも未読なのですが、今一番読みたいニューヨーク関連本です。
メトロポリタン美術館7代目館長の回顧録で、今のメトロポリタン美術館の原型ができるまでの物語。
レビューを読む限り、大胆な暴露話が満載らしく、メトロポリタンがどのような道を歩んで出来上がったのかをナマナマしく感じられる一冊のようです。
ぜひともこの本を読んでメトロポリタンに行ってみたいんですが、絶版な上に中古でもすごく高いんですよね・・・。
さいごに
ニューヨークと言う街は、その特異な歴史と世界における立ち位置によって、様々な物語や、研究、考察の舞台となっています。
それゆえに多くの関連書籍が発刊されており、実際に足を運ばずともその多くを知ることが出来ます。
もちろん、体験に勝るものはありません。
ただ、今回紹介させてもらった本などに事前に目を通してから足を運ぶと、ニューヨークでの体験をより良いものにしてくれるかもしれませんよ。
書籍によっては電子書籍版などもあるので、荷物が多くなるのを避けたい方はぜひ電子版などでスマホや電子書籍リーダーなどに忍ばせ、飛行機や地下鉄の移動中などに目を通して下さい。
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