海外旅行中や留学中のお金の管理というのは誰しもがとても悩むところですよね。
郵便局や大手銀行からの海外送金を利用するのが一般的ではありますが、実はこれは非常に手数料の高い方法で、多くの人が知らないうちにかなり損をしているんです。
両替に関しては、FX口座を利用するというのがおそらくは一番お得なのですが、FXに手を出すのが怖いという方もおられます。
またクレジットカードなら現金両替よりも安価に買い物を済ませられますが、スキミングなどを恐れて海外でクレジットカードを使いたくない人や、クレジットカードそのものを使うことに抵抗がある人もいますよね。
そういう方々のために今回紹介するのが、キャッシュパスポート 。
キャッシュパスポートとは、事前に日本円を入れるだけで両替が簡単に出来、そのまま入れた金額分だけ、現地で買い物に使えるという、いわゆるデビットカードの仕組みを持ったカードです。
- 海外でクレジットカードを使うのが怖い
- 現金両替にFX口座は使いたくない
- 両替、海外送金手数料を抑えたい
- 現地のATMでお金を下ろしたい
そんな方々にとって救世主となるこのキャッシュパスポート。
今回はそのメリットと入手方法、使い方を解説します。
海外へのお金の持って行き方
キャッシュパスポート の紹介の前に、改めて海外へのお金の持って行き方についておさらいしておきましょう。まず大前提として、海外でのお買い物に関してはクレジットカードが一番お手軽かつお得です。
通常の大手銀行や両替の手数料が3%前後なのに対し、クレジットカードは手数料が約1.6%ほど。
現金を多く持ち歩く必要もなく、またほとんどのカードでポイントやマイルによる還元や海外旅行保険の無料付帯などもあることから、ぜひとも利用してほしい手段です。
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ある程度の現金をまとめて両替したい場合は、FX口座の利用がおすすめです。
マネーパートナーズというFXを利用して両替をすると、基本為替レート0.2~0.4%という驚異の安さで現金を得ることができます。長期の留学でまとまったお金が欲しい場合などは、ぜひとも活用すべき方法です。
FX口座について
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でも、不安が・・・
クレジットカードは、いわばカード会社からお金を借りる方法。
予想外の請求を恐れて、使いたがらない人も多いですよね。
またFX口座を利用しての両替というのも、耳慣れない方にとってはハードルが高く感じられるでしょう。
そういうことから、結局大手銀行や郵便局を利用した海外送金に落ち着いてしまうのがあるあるなのですが、こういう方にぴったりなのが、今回紹介するキャッシュパスポート なのです。
キャッシュパスポートとは
マネパカードは、事前に日本から円で入金しておくことで両替不要で利用できる、いわゆるプリペイドカードです。このカード一枚で、現地でお店でのカード払いや、現地ATMを使って現地通貨の引き出しなどが出来ます。
クレジットカードと違い事前に入金していた分のお金しか使えないので、使いすぎる心配もありません。
まさに、使いすぎやトラブルを避けて安心してクレジットカード代わりに使えるアイテムで、今少しずつ人気を集めています。
キャッシュパスポートの手数料
そんな便利なマネパカードですが、手数料に関して公式サイトでは不明瞭な部分があったので整理してみました。
まず、以下の場合は手数料がかかりません。
- 申し込み・登録
- カード紛失時の再発行
- スペアカードの発行(申し込み)
- ショッピングでカード決済
- 月会費
基本的に、入会金やカードの発行、維持費、またキャッシュパスポートを利用してショッピング時にカード決済を行なった場合も一切手数料は掛かりません。
キャッシュパスポートの利用で手数料が必要な場合は以下です。
- 現地ATMで現金引き出し時、現地通貨で約200円相当
- 入金(チャージ)時、その額の1%の入金手数料
- 為替レートは、基本となるレートに約2.2%上乗せ
- チャージしてあるものと別の通貨で決済時、レート+4%
- マイアカウント内の通貨を別の通貨に移動時、レート+5.5%
- 口座内からの払い戻しは500円
1に関しては、現地のATMでキャッシュパスポートを利用して現金を引き出した場合、その通貨で約200円相当額が引かれるというもの。
勘違いしてはいけないのは、これはあくまでキャッシュパスポート側の手数料であり、これとは別に、ATM側が利用料として手数料を取るケースがあります。(大体これも200~500円くらい)
ATMの手数料が高い場合は、最大で700円近くの手数料を持っていかれることになるので、現金を引き出す場合はできるだけ大きな額をまとめて行った方が損をせずにすみます。
また2に関しては、日本円を別通貨の口座に入金する際に適用されるレートのこと。
レートはこちらで確認することができますが、このレートは、大元であるマスターカードが公表しているレートに約2.2%を上乗せしたものになっていました。(正確な数値は非公表)
▼キャッシュパスポートのレート。
▼同日のマスターカードのレートに、上記の数値と合うよう手数料の%を入力したもの。(時差の関係で日付が1日ずれています)
3~5のそれぞれの手数料に関しては、ややわかりにくいので簡単に図を使って解説しましょう。
まずは3の「入金(チャージ)時は当日のレートに+1%」ですが、通貨別の口座に入金する際に発生する費用。
キャッシュパスポートのアカウントを開設すると、日本円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、シンガポールドル、香港ドルの9口座が手に入ります。
それぞれの口座へと事前に入金しておくことで、その通貨を現地で利用できるのですが、この際の入金時にかかる手数料が、日本円の入金額の1%。
100,000円入金するなら、1,000円の手数料、といった感じです。
続いて、「チャージしてあるものと別の通貨で決済時、レート+4%」の場合。
例えばニューヨークでの支払いにキャッシュパスポートを利用したとしましょう。
会計が$200なのに、ドル口座への残高は$150しかない場合は、他通貨の口座より足りない分が補填されます。
この補填時に利用した額、例えば日本円を$50相当額引かれた場合は、日本円→米ドルのその日のレートにさらに4%加えたものが、補填額のレートとして充てられることになります。
補填される優先順位は、以下のようになっています。
当然ですが、現地通貨が最優先されますのでそちらに関してはご安心ください。
チャージ済みの同通貨での支払いが無料なのに対し、この場合の手数料は決して安くありませんので、利用する通貨の口座には十分な額をチャージしておくようにしましょう。
最後に、「マイアカウント内の通貨を別の通貨に移動時、レート+5.5%」のケース。
これはキャッシュパスポートのマイアカウント内にて、すでに入金済みの通貨の口座から別通貨の口座へと移動する際に、当日のレート+5.5%となるということ。
これは、「例えばアメリカ旅行に行ってドル口座に多く入金したのだけれど余らせてしまった。次回のヨーロッパ旅行のために、ユーロ口座に移しておきたい」といったようなケースの時に役立つ手法です。
日本国内で外貨同士を両替する際は場所もかなり限られますのでありがたい処置ですが、5.5%という手数料は比較的高いので、できれば直接チャージする方が良いでしょう。
一点注意しなくてはいけないのが、もしキャッシュパスポート内の口座内残高が150円相当額以上あり、12ケ月間キャッシュパスポートを一切利用していない、あるいは入金をしていない場合、13ケ月目より毎月150円(または外貨相当額)が発生することになります。
カードを利用または入金しない限りは、カード解約もしくは残高が150円相当額以下になるまで引落され続けるので注意してください。
これを避けるためには、チャージしているお金を150円以下になるまで使うか、あるいは500円+消費税を支払って、チャージしているお金を払い戻すかのどちらかを行うようにしてください。
もし口座に数万円相当のお金が残っており、先一年海外旅行の予定がないのであれば、大人しく払い戻しを行う方がいいでしょう。
キャッシュパスポートがおすすめな理由
これの他にも海外で使えるプリペイドカードのおすすめとしてはマネパカードというものがあります。
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マネパカードの両替手数料はドルの場合だと1通貨(ドル)あたり0.8円。
手数料がパーセントではなく数値が固定なのですが、これはクレジットカードや他のプリペイドカードよりも基本的に安いです。
ATM利用時に200円相当がかかること、口座内に余った外貨を精算時に500円かかるのは、キャッシュパスポートと同じ。
このマネパカードと比較した場合、キャッシュパスポートの利点としては以下の三つが挙げられるでしょう。
- 9通貨対応(マネパカードは6通貨)
- 無料でスペアカードが付いてくる(再発行も無料)
- Tポイントが貯まる
まず、マネパカードにはないNZドル、カナダドル、シンガポールドルへの対応。
また、スリや盗難などの可能性も考えられる海外では、携帯用とは別にホテルに置いておく等できる無料のスペアカードがもらえます。
さらに、200円の利用で1ポイントのTポイントが貯まります。
マネパカードとキャッシュパスポートの手数料の差ですが、先述したようにマネパカードの場合は1通貨あたり0.8円が固定です。これを実際に両方を利用した場合にどれほど差があるのか比較してみましょう。
ニューヨークへの海外旅行に$600を持っていくと仮定し、それぞれのカードを利用した場合に日本円でいくら必要かを計算してみます。
レートは仮に、$1=115円とします。
(為替レートの計算方法はこちら)
マネパカードの場合
【レート換算額】($)600×115(円)=69000円
【合計額】480(円)+69000(円)=69,480円
続いて、マネパカード。
キャッシュパスポートは基準レートへの加算が%方式。
また、マネパカードにはなかった入金手数料がかかります。
キャッシュパスポートの場合
【レート換算額】($)600×117.53(円)=70,518円
【入金手数料】70,518(円)×0.01(1%)=705円(小数点以下切り捨て)
【合計額】70,518(円)+705円=71,223円
付与Tポイントは200円あたり1ポイント
【付与されるポイント】71,223円(円)÷200(円)356ポイント(小数点以下切り捨て)
Tポイントは1ポイントあたり1円相当なので、実質これは356円と同義になり
【実質価格】71,223(円)-356(ポイント/円)=(実質)70,867円
という、このような結果になりました。
キャッシュパスポートに関しては、為替の変動や残額を使い切るかでTポイントの付与数が変わったりなど、条件次第で最終的な値が上下しますので一概には言えませんが、マネパカードはスペアカードを作れない&カード再発行手数料1,000円かかることなどを加味すると、一概にマネパカードの方がお得とは言えないことがわかります。
先にも紹介した
- 9通貨対応(マネパカードは6通貨)
- 無料でスペアカードが付いてくる(再発行も無料)
- Tポイントが貯まる
というこの三点を魅力を感じる方には、キャッシュパスポートはおすすめです。
実のところぼくは、マネパカードとキャッシュパスポートを両方所持していて、為替の変動や状況に合わせて使い分けています。
またどちらにもある程度の額をチャージしておき、分けて持ち歩くようにしています。
どちらも審査などもなく無料で簡単に作れるので、どうせなら両方作ってしまうのも手かもしれません。
キャッシュパスポートの申し込み方法
マネパカードの申し込みはいたって簡単。以下のリンクから、必要な項目を埋めていけばすぐに完了します。
マネパカードすでにTポイントカードをお持ちの場合は、事前にポイントを統合することができるので、こちらで入力しておきましょう。
渡航予定が決まっている方は、出発予定日や渡航国を記入しますが、予定が決まっていない方は大体で大丈夫です。
あとは、定番の個人情報を埋めていくのみ。
基本的にはこの2ステップで終わり。
3ステップ目は、今まで入力した情報の確認です。
ステップ4ではお申し込み完了のお知らせ。
だいたい一週間後に通知書が届き、その後本人確認書類を持参して郵便局で受け取ります。
ちなみに、この画面を下にスクロールしていくと、委任の確認という項目が出てきます。
基本的にはキャッシュパスポートのチャージ(振込)できるのは、カード所有者の本人のみですが、例えば留学中、日本の家族から現金を振り込んでもらう、というケースが発生する場合は、この委任状の登録が必要となります。
ご家族の方に入金してもらう方法については、後で説明しています。
審査などもなく、5分程度の申し込みですぐに発行手続きが完了するので、実際に使う、使わないは別にしても、まずは持っておくのがいいでしょう。
一週間後、無事にキャッシュパスポートが届いたら、ここから利用するための手続きに入ります。
キャッシュパスポートの使い方
マネパカードの封筒を開封すると、カードが2枚貼り付けられたこのような書類が中にはいっているはず。左側のカードがオリジナルで、右側はスペアです。
基本的には、この左側のカードの番号などが全ての基準になります。
必ずこの書類を捨てずに保存しておくようにしてください。
キャッシュパスポートへの入金
キャッシュパスポート を手に入れたら、まずは利用するためにカードを登録する必要があります。ただし、登録するためにはまず「チャージ専用口座」への振込(入金)が必要です。
チャージ専用の口座情報は、こちらより見ることができます。
今回のケースでは、ニューヨークでの利用なので「米ドルにチャージ」になります。
振込先情報は
すずらん支店
マスターカードプレイペイドマネージメントサービスジャパン(カ
普通 2456022
振込む際に要注意なのが、振込依頼人名を必ず「オリジナルカード番号(16桁+口座名義人)」にすること。
ここを間違えると、入金手続きが失敗してしまう可能性がるのでご注意ください。
依頼人名が「オリジナルカード番号(16桁+カード保有者)」を「全角」で入力されている(楽天銀行の場合)ことをご確認ください。(番号と保有者名の間はスペースを入れていません)
家族の方に入金してもらう場合
家族の方から入金してもらう場合は、「入金委任状」の登録が必須となります。
申し込みの段階でこちらをお手続きした場合は不要ですが、申し込み時に入金委任状の項目にチェックをし忘れた場合は、こちらで再度手続きが必要になります。
この手続きさえ終えていれば、あとは先ほどの自分の入金と同じ。
ただし注意点としては、振込依頼人名が「オリジナルカード番号(16桁+カード保有者)」を「全角」で入力(楽天銀行の場合)されていること。(番号と保有者名の間はスペースを入れていません)
これは自分で行った場合と同じで、ご家族からの振込の場合でも、依頼人名はカード所有者の名前である必要があります。
キャッシュパスポートに入金してみた
というわけで実際にニューヨークでの使用のために入金をしてみました。
先の通り、チャージ専用口座へと入金します。
この時の入金学は「2万円」。
振込後、手続きが完了したらマイアカウントを確認。
入金後のドルは$171.83となっていました。
20,000円の内1%は両替手数料として取られているので、この場合は200円。
差額の19,800円が$171.83になった、ということになります。
これを計算してみると、レートは約115.2円。
当日の三菱UFJが発表していたレートが113.74だったので、このレートはやや悪いですが、実際に両替所などで両替するよりは遥かに安いので、カードの利便性を加味すれば、妥当といったところでしょうか。
キャッシュパスポートの使い方
実際にキャッシュパスポート を使用する方法ですが、基本的にはクレジットカードと同じです。
ニューヨークを始め、アメリカのクレジットカード利用可能店でMasterカードに対応しているお店であれば、問題なく利用することができます。
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万が一、「デビットorクレジット?」と聞かれた場合は、「クレジット」と答えて利用するようにしてください。
プリペイドカードはどちらかというとデビットカードに近い特性を持っているので勘違いしがちですが、実際のところはクレジットカードとして利用します。
支払い時にはPIN番号を聞かれると思います。
これは、最初にカードが送られてきたときに添付されていたものなので、必ず覚えておくor他人に見られない場所にメモしておくようにしてください。
まとめ
手数料は少し高いけど、すごく簡単。
短期の海外旅行だけでなく、留学生活にもとても役立ってくれること間違いなし。
無料で作れるので、これから海外に行かれる予定のある方は、ぜひとも申し込んではいかがでしょうか。
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